財務会計 過去問 H22 09
過去問 H22 09
当期の売上高と費用の内訳は次のとおりである。他の条件に変化はないものとして、販売価格が1,700円に低下した場合の損益分岐点売上高の変化として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。
売上高(価格2,000円、数量400個)
|
800千円 |
変動費
|
320千円 |
固定費
|
360千円 |
[解答群]
ア -100
イ +80ウ +100
エ +200
【正解】
イ
[難易度B]
【解説】
求められていることがきちんと理解できれば、難易度は高くない問題です。
計算を始める前に一つ注意が必要です。
それは、単位です。問題の中で、が円と千円の2つの単位が混在しています。単位を間違えてしまうと、当たり前ですが、最終的な答えも違ってくるので、ケアレスミスをしないためにも、単位を揃えて計算することが重要です。今回は千円の単位に揃えます。
変動費率(α) | = | 変動費(VC) | |||||
売上高(S) | |||||||
= | 320 | ||||||
800 | |||||||
= | 40% | ||||||
次に、公式に当てはめて、損益分岐点売上高(BEP)を計算します。 | |||||||
損益分岐点売上高(BEP) | = | 固定費(FC) | |||||
1-変動費率(α) | |||||||
= | 360 | ||||||
1-0.4 | |||||||
= | 360 | ||||||
0.6 | |||||||
= | 600 |
ここで注意することは、販売単価が変わり、売上高(S)が変わっても、変動費(VC)は320千円で変わらないことです。
変動費(VC)なのに変化しないというのは、なんとなく分かりずらい気がしますが、実際のビジネスでいえば、顧客の要望で販売単価を下げたけど、変動費(VC)である原材料費は変わらないという状態です。
変動費率(α) | = | 変動費(VC) | ||
売上高(S) | ||||
= | 320 | |||
680 | ||||
= | 47.0588% |
一次試験の場合、電卓が使用できないので、ほとんどの場合、きれいに割り切れる数字になります。
途中の計算で、割りきれなかった場合は、自分の解答が間違っている場合か、または、計算せずにそのまま計算を続けると最後に割り切れるかのどちらかであることが多いです。
次に、公式に当てはめて、損益分岐点売上高を計算します。
損益分岐点売上高(BEP) | = | 固定費(FC) | ||||
1-変動費率(α) | ||||||
= | 360 | |||||
1- | 320 | |||||
680 | ||||||
= | 360 | |||||
680-320 | ||||||
680 | ||||||
= | 360 | |||||
360 | ||||||
680 | ||||||
= | ||||||
= | 680 | |||||
単価が1,700円の時の損益分岐点売上高(BEP)=680・・・②
③その差額を求める
求めることは、②と①の差額なので、
②680-①600=80
答えはイになります。