法務部リスク管理課

法務部リスク管理課に所属しながら、中小企業診断士としての活動を模索中。

社債と株式の違い

社債と株式の違い

企業の、株式以外での資金調達方法に社債発行があります。

社債は、一定期間後に利子を付けて返済しなければならない借用証券(他人資本)であるのに対し、株式は返済の義務のない出資証券(自己資本)という違いがあります。ただ社債も株式も、銀行からの借入れである間接金融とは違い、投資家から直接資金を調達する直接金融という点では同じです。会社が倒産した場合、株式の場合は株主が出資金を諦めるしかありませんが、社債の場合は投資家に返済しなければなりません。
 ※この時株主は、会社の債権者に対して出資額以上の支払い義務はありません。これを株主の有限責任制度といいます。



社債は、株式発行に比べて短期間で発行できることや、株式価値を損ねずに資金調達できるというメリットがあります。社債発行会社は、社債の条件(金利、償還金額、償還日等)を決定し引き受け手を探すのですが、その場合株式を公開している会社は、広く一般から募集するので公募と呼ばれますが、未公開会社の発行するものは私募債と呼ばれます。

◇社債には、普通社債と新株予約権付社債の2種類があります。
従来の転換社債ワラント付社債は2002年の商法改正で、新株予約権付社債に分類されました。


転換社債とは株式に転換する権利が付いた社債のことですが、株式に転換するのに追加の資金を必要としないので投資家に大変有利な社債です。株価が値下がりした時には、そのまま持っていればクーポンの支払いを受けることができ、満期日には元本全額戻ってきます。また発行会社にも、普通の社債より有利な条件で発行できるというメリットがあります。

ワラント付社債とは、新株予約権の付いた社債のことです。転換社債との違いは、株式を取得するのに新たに購入資金が必要となります。転換社債と違って新株予約権を行使しても、社債としての権利は残ります。