法務部リスク管理課

法務部リスク管理課に所属しながら、中小企業診断士としての活動を模索中。

過去問 財務・会計 H25 02 余剰金 

過去問 H25 02

剰余金の処分において、株主に対して配当金2,000千円を支払うことを決定した。以下の資料に基づいて、会社法に従うとき積み立てるべき利益準備金の最低額はいくらか。最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資料】
資本金      15,000千円
資本準備金  2,200千円
利益準備金  1,500千円(既積立額)

[解答群]
ア   0千円
イ  50千円
ウ 200千円
エ 250千円



<解答・解説>
必要な知識は以下の通りです。

◆剰余金の配当
会社が株主への配当を行う場合には、剰余金から配当する。
剰余金は、「その他資本剰余金」と「その他利益剰余金」の合計。
配当を行う場合は、配当の総額は「分配可能額」を超えてはならない。
分配可能額は、基本的には配当時の剰余金が基準となる。
剰余金の配当を行う場合には、配当する剰余金の10分の1の額を「資本準備金」または「利益準備金」として積み立てる必要がある。
ただし、この準備金への積み立ては、配当時の「資本準備金」と「利益準備金」の合計額が資本金の4分の1に達していれば必要ない。

これでも、やや長くて分かり難いですね。一言でいうと、「資本金の4分の1まで準備金等を積み立てないと配当してはダメです。もしそれ以下であれば、配当金の10分の1を積み立てなさい」。ということです。
(※)準備金等とは、「資本準備金」と「利益準備金」の合計


上記より、本問の回答の手順は、以下の通りです。

手順①
資本金の4分の1の額を求める
資本金は15,000千円ですから、その4分の1は3,750千円 ・・・ ①

手順②
準備金の合計を求める。
2,200千円+1,500千円=3,700千円
準備金の合計は3,700千円 ・・・ ②

手順③
①と②の差額を求める。
3,750千円-3,700千円=50千円
差額は50千円 ・・・ ③

手順④
配当金の10分の1を求める。
2,000千円÷10=200千円
配当金の10分の1は200千円 ・・・ ④

手順⑤
③と④の低いほうを積み立てる。
③は50千円、④は200千円なので、③の50千円を積み立てる。


したがって、正解は「イ」となる。