消費理論
消費理論
ケインズ型消費関数(C=cY+A)と異なり、今期の消費が今期の所得以外の要素に依存しているという理論。消費に影響を与えるものは何か?という観点で比較をしておくと良い。
暗記方法
フ フリードマン
コ 恒常所得水準
ウ
ヘ 平均所得
イ
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モ モディリアーニ
ラ ライフサイクル
イ
ソ 総額
ウ
|
提唱者 | 仮説名称 | 消費に影響を与えるもの | 具体的な行動例 |
ケインズ | 絶対的所得仮説 | 所得(Y) | ケインズは、消費Cを決定する主要因は所得Yであると考えていた。 C=cY+A 限界消費性向(MPC)は景気に関係なく常に一定値 平均消費性向(APC)は所得が増えれば小さくなる。 →所得と消費は比例しない。 |
クズネッツ | 長期消費関数 | 所得(Y) | サイモン・クズネッツの長期消費関数(C=cY) 平均消費性向(APC)は常に一定。 →所得と消費は比例する。 1937年に報告されたクズネッツの調査によれば、米国の長期の年次デ-タは平均消費性向C/Yが所得の増加とともに減少せず、ほぼ一定で0.9であることがわかった。 |
モディリアーニ | ライフサイクル仮説 | 生涯所得 一生に得ることのできる所得合計 |
若年期の所得をすべて消費せず、一部老後の蓄えとして貯蓄する。 消費は恒常所得に依存しているので、政府が特別減税を実施して変動所得を増やしても消費は刺激されない。 少子高齢化になると老年世代で貯蓄を取り崩して消費を行うので、国民全体の貯蓄率は低下する。 |
恒常所得仮説 | 恒常所得 一定的に得られる所得 |
月給などの恒常的な所得が消費に影響をあたえる。 景気が回復して一時的(短期的)にボーナスが増えた場合にも、所得の増加に比例して消費は増えない。 消費は生涯所得に依存するので生涯所得が増加すると消費も増える。また、貯蓄を通じて消費を平準化させる |
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デューゼンベリー
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相対的所得仮説 | 時間的相対所得 過去の自分の消費 空間的相対所得
同一コミュニティーに所属する他人の消費 |
高額所得者であり浪費がであった人は、所得が減額してもその分消費を急に減らすことができない。 消費は過去の最高所得に依存するとこになり、一時的な所得が減少しても、所得の減少ほどには消費は減少しない。これをラチェット(歯止め)効果という 高級住宅街に居住した場合、高級車を購入してしまう。自身の所得額に関わらず、周りに合わせて消費を決定する。同じ社会的な階層に位置する別の消費に依存する。 |
ピグー | ピグー効果(資産効果) | 流動資産の実施的な価値 | 貨幣の実質残高が増加すれば、消費も増加する 会計の消費が所得だけでなく、家計の保有している貨幣(流動資産)の実質的な価値にも依存すると考え。 つまり貨幣の実質残高が増加すれば、消費も増加すると考えた。「物価水準の下落→実質貨幣残高増加→消費増加」というメカニズムが働くことになる。 ひらたくいうと、人々が銀行に預金をたくさん持っていて、物価水準がどんどん下落していけば、自分の預金の金額はかわらないが、実質的な価値はあがるため、たとえ所得がかわらなくとも消費を増やすことができるということ。 |