法務部リスク管理課

法務部リスク管理課に所属しながら、中小企業診断士としての活動を模索中。

ユッケ事件の素朴な疑問

食品をあつかっている会社として、今回のユッケの事件は、報道も含めて、いろいろ疑問がある。

まず、焼肉チェーン店のお詫びは下記のようになっている。
焼肉酒家えびす/【お詫びとお願い】グループ全店舗営業停止について


また、生食用食肉の関連法規は下記の通り。
厚生労働省/生食用食肉等の安全性確保について


ユッケ事件の素朴な疑問

Q.新鮮でない材料を使ったから食中毒がおきたの?
A.【×】
今回の原因である大腸菌は、食品加工現場であれば、どこでもいる菌であり、包丁やまな板を共用しただけで菌が付着します。鮮度がよければ大丈夫は間違いです。



Q.トリミングしたら生で食べても大丈夫なの?
A.【×】
食肉業界でいうトリミングとは、ブロック肉の表面の筋や痛んだ所を除去する事です。業界用語で"磨く"といいます。トリミングにより表面の菌は除去されますが、それにより生食用になるという事は間違いです。



Q.生食用の肉(生鮮食品)って賞味期限がないの?
A.【○】
肉に限らず、生鮮食品は賞味期限などの表示義務はありません。スーパーで売っているキャベツや秋刀魚には産地表示は義務ありますが、賞味期限表示の法的規制はありません。パックの肉は加工品のあつかいになってます。



Q.では一体誰が悪いの?
A.【焼肉チェーン店(だとおもう) 】
仮に卸からユッケ用で商品を納品していても、トリミング済みか否かは、ちょっと経験があればすぐ分かる。また、生食を扱うのであれば、菌検査結果や商品カルテなどの商品の詳細を書面で確認すべき。



Q.どの段階で付着した可能性が高いの?
A.【すべての工程】
新鮮であっても、大腸菌に汚染された材料と包丁やまな板を共用しただけで感染します。そのため、卸売り業界や店舗のどこでも感染の可能性があります。



Q.私達は何を気をつければいいの?
A.私の考えでは、ネギトロ、サイコロステーキ、ミディアムレアーのハンバーグなどは、今回と材料の工程が似ているため外食では基本的に食べません。



Q.私達は何を気をつければいいの? (その2)
A.レバ刺しはもっと危ないです。理由は内蔵肉であり、大腸菌に触れるリスクが高いことと寄生虫です。肉の知識のある人ほどレバ刺しは食べません。



Q.卸売り業者が100%使用可能って言ったので、業者が一番悪い?
A.メールで提案をした商品と今回の事件を起こした商品が同一商品であると立証をできなければチェーン店側は裁判で負けます。



ユッケ事件の素朴な疑問(番外編)


Q.賞味期間表示義務のない食品って他にあるの?
A.あまり知られてませんが、アイスクリームも賞味期限がありません。今度コンビニで見て下さい。





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