法務部リスク管理課

法務部リスク管理課に所属しながら、中小企業診断士としての活動を模索中。

空色プロジェクト vol.2 診断士の実態

みなさんこんにちは、

 

前回は、なぜ私が、日本の中小企業経営者のために空色プロジェクトをやろうと思ったのかを書きました。マーケティング的にいえば、そこに経営支援のニーズがあるということです。

今日は、供給側の面から、なぜこのプロジェクトをやろうと考えたのかを書きたいとおもいます。
まずは、中小企業診断士の全体の現状について纏めてみます。


<企業内診断士の状況>
中小企業診断協会が毎年発表している、試験合格の統計を見てみましょう。

統計資料(PDF)(平成28年1月5日)
https://www.j-smeca.jp/attach/test/h27/h27_2ji_toukei.pdf

こ れによると、直近の診断士試験の合格者は944人です。そのうち、民間企業に勤めている人は、民間企業勤務が611人、政府系以外の金融機関勤務が84人 です。この政府系以外の金融機関勤務は、いわゆる銀行や信用組合を指しているものと解釈しました。これらの合計が695人で、合格者全体に占める割合は 73%です。ということは、合格した人の中で、会社勤めの方は73%いるということです。

次に、合格してからどうなったかをしらべたアンケートがありました。

J-Net21[中小企業ビジネス支援サイトのアンケートにみる診断士の実像
第2章 データでみる診断士6年間の変化
http://j-net21.smrj.go.jp/know/s_hiroba/enquete2011/chapter02a.html

これによると、企業内診断士の割合は49.4%でした。なお、このアンケートは、中小企業診断協会に加入している人が母集団となっているので、上記の中小企業診断協会より企業内診断士の数が少ないのだと推測します。また、診断士に合格しても、私のように診断士協会に入らない企業内診断士もいます。


<なぜ、企業内診断士のままなのか?>
中小企業診断士は、日本で唯一の経営コンサルタントの国家資格です。この経営コンサルタントがなぜ、独立できないのでしょか?
理由は簡単です。独立すると今の会社勤めより収入が減るからです。特に私のように家族がいる人は、そう簡単には会社を辞めることができません。


<で、実態はどうなの?>
さて、いろいろと書きましたが、つまり、せっかく中小企業診断士の資格をとっても5~7割の人は、独立せずに、同じように会社員として仕事をしているということです。

また、この資格の更新のためには、実際に中小企業を診断して一定の「実務ポイント」というポイントを取得する必要があります。人によっては、この実務ポイントを取るために、お金を払って診断する人もいます。お金をもらうんじゃなくて、お金を払って診断しているんです。

私としては、「なにをかいわんやじゃ!!(※)」って感じです。せっかく、高いお金と時間を犠牲にして資格を取ったのに、まだお金を払っているんですか?何のためのスキルですか?なんで、そこまで自分を安売りすんですか?言い出せばきりがありません。

(※)このセリフは、私の好きな坂の上の雲で、満州軍総参謀長満州軍である児玉源太郎が、旅順に向かう列車の中で、第3軍参謀副長の大庭二郎に対していった言葉です。
http://takehana.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/113-b0dd.html

話を戻します(笑)。
いろいろと理解できない部分がある一方で、会社勤めの方は、副業禁止や、なかなか まとまった時間が取れないといった多くの成約があることは事実です。


<空色プロジェクト>
そこで、この「空色プロジェクト」です。このプロジェクトの目的は、中小企業診断士等の経営のスキルがある人を集めて、日々悩んでいる日本の中小企業の社長が見る空の色を変えたいということです。

最近はロート製薬の副業解禁が話題になりましたが、現状ではまだまだ副業禁止を就業規則に入れている会社が多いのは事実です。

診 断士1年目は、道場やタキプロなど先輩が用意してくれた土台があるので、なんとなく活動をしている気になります。でも2年目以降は誰も何も用意してくれま せん。自分で自分の舞台を決める必要があります。2年目以降になにもしないとせっかく獲得した診断士のスキルが低下してしまいます。

幸いなことに、私の周りの診断士の仲間は、診断士という資格に加えて、自分の得意分野もっており、「診断士×●●」という強みがあります。ちなみに私は、「経営×定量分析」を自分のドメインにしています。ここについては、後日詳しく話します。

会社員であっても、自分自身の舞台を決めたいと思っている診断士に対して、自分のスキルを発揮できる場を提供し、それが悩んでいる日本の中小企業の社長に役立つような仕組みを作ることが、この空色プロジェクトです。

また、もちろん発揮したスキルには、それに見合った報酬をもらえることは当たり前です。
診断士の悪い習慣は、「無料奉仕は美徳」だという間違った感覚をもっていることです。たとえば、診断士が経営者に対して、無償でまあまあの仕事をするのと、10万円の単価で、15万円の価値のある仕事をするのとで、どっちがお互いのためにな るでしょうか?相手からの依頼に対して、その期待を上回る成果を出すことが、コンサルタントの存在意義だと思っています。

さらに、会社勤めの方に対して、副業禁止問題を完全に解決できないまでも、和らげるような仕組みを作る予定です。この部分は現在、法的な確認をしておりますので、公開まで少々お待ちください。


<まとめ>
・せっかく診断士に合格しても5~7割の人は企業内診断士である。
・なにもしないと、そのスキルは一気に低下する。
・診断士のスキルを必要としている経営者は大勢いる。
・副業禁止な会社員が、そのスキルを発揮できる場を提供することが、この空色プロジェクト

次回もお楽しみに。