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法務部リスク管理課

法務部リスク管理課に所属しながら、中小企業診断士としての活動を模索中。

完全合意条項とは?

完全合意条項(完全合意条項)は、予備的合意書と同様に、主に国際取引の際に用いられる条項です。最近では、国内でもたまに見かけるようになりました。

契約条件は必ず確定させる


完全合意条項とは、作成された契約書が完全なものであることを規定する条項です。ここでいう「完全」というのは、契約当事者が完全に合意している、という意味での完全です。契約交渉をおこない、契約条件をすべて取り決めると、ドラフト(草案)の作成に取り掛かることになります。そのドラフトを修正していって、最終的に完成した契約書に調印するすることになりますが、その完成した契約書が、「完全であること」を規定した条項が、完全合意条項です。

この完全合意条項が規定されていると、契約書に記載されている条項だけが完全な条項である、というように判断されます。逆にいうと、記載されていない条項は何の効力も持たないということになります。ですから、契約書に記載されていない条項は、いかに予備的合意書、議事録、念書、覚書といったような文書での合意があったり、口頭での合意があったとしても、完全合意条項によって、すべて排除されてしまいます。

逆に、完全合意条項が規定されていないと、その契約書が、確定的なものとして取扱われない可能性もあります。契約書に記載されてい条件が覚書やメモ書きに記録が残っている場合は、その覚書やメモ書きの有効性が問題となります。このような不確定な状態は、トラブルの元になりかねませんので、できるだけ、契約書に完全合意条項を規定して、契約条件を確定させておきます。

「協議」は完全な合意ではない


完全合意条項で契約条件を確定させるとはいえ、その契約書に漏れなく契約条件が記載されていなければ、意味がありません。それどころ、その契約書は、漏れがある条件で契約を結んだ証拠となってしまいます。ですから、最終的な契約書に交渉の段階で取り決められた条件が漏れなく記載されているかも確認しなければなりません。

なお、ここでいう条件というのは、明確に決まっている条件のことです。日本の契約書でよく見られるような「・・・については、甲乙協議して決定する」という、いわゆる「協議条項」は、明確に決まっている条件ではありません。特に日本の場合は、末尾に、いわゆる「誠実協議条項」が記載されてることがあります。この誠実協議条項は、完全合意条項とは正反対の条項です。

「協議して決定する」という条項は、「将来協議する」ということですから、契約を締結した時点では何も決まっていないという意味です。そのような、「何も決まっていない」という条件を契約書に規定したところで、意味はありません。契約書には、確定した条件を記載するからこそ意味があります。ですから、「協議」というキーワードは、できるだけ排除したうえで契約書を作成する必要があります。

【条項例】


第○○条 完全合意
この契約の締結をもって、甲乙間で○○年○月○日付で締結された○○契約書は失効し、本契約が優先して適用されるものとします。