法務部リスク管理課

法務部リスク管理課に所属しながら、中小企業診断士としての活動を模索中。

β(ベーター) とは?

株式市場が1%変化したときに、任意の株式のリターンが何%変化するかを表す係数。
個別の株式の相対的なリスクを表す。


統計学的には、ある株式と株式市場の共分散(covariance)を、株式市場の分散(variance)で割ったもの。


βi = Cov(rM、ri) ÷ Var(rM)


i:任意の株式、rM:株式市場のリターン


例えば、株式市場全体のリターンがある期間に10%上昇した際に、同じ期間に個別銘柄のリターンが5%上昇した場合、その銘柄のβは0.5になる。


株式市場全体のリターンがある期間に20%上昇した際に、同じ期間に個別銘柄のリターンが10%下落した場合、その銘柄のβは-0.5になる。


βが1を超える株式は市場全体のリターンの動きよりも大きい(感応度が高い)銘柄であり、新たにポートフォリオに組み込むと、そのポートフォリオのβ値を上げる方向に作用する。


また、このβ値が判ると、CAPM(資本資産価格モデル)により投資家が期待する利回りが判明するので、資本コストを算出する際に極めて重要なデータとなる。


なお、我が国ではマーケット・ポートフォリオのβは1、国債のβは0と定義される。


βを求める際のリターンは、厳密には株価の値上がりに配当を加えたものの方が望ましいが、実務では株価の値上がりで代替することが多い。