法務部リスク管理課

法務部リスク管理課に所属しながら、中小企業診断士としての活動を模索中。

契約書

機密保持契約の有効期間

機密保持契約の有効期間 第○条 ( 有効期間 ) 本契約は締結の日から○箇年間有効とする。ただし、○条及至○条に基づき甲が乙に対して負担する義務は、この契約の終了若しくは解除後○箇年経過した日、又は第○条の規定に基づく情報の返還若しくは廃棄後○箇年経…

「引渡し」と「受渡し」の違い

契約用語使い分け辞典によると、「引渡し」は占有移転一般、「受渡し」は決済手段として契約当事者間で代金・目的物を交換的に提供することとある。 これを、当社の動産の売買取引に置き換えると、下記のようになるだろう。 引渡し ⇒ (検収が終了して)所有権…

契約書作成の素朴な疑問 「および・ならびに・かつ」

「および」と「ならびに」は、ともに二つ以上の物事(行為、状態など)を並べる場合に用いる用語で、日常用語としては同じ意味で使われています。しかし、契約書や法令で使用する場合には、厳密に使い分けがなされています。 すなわち、単純に二つの物事を並…

英文契約書の構造

下記は、OEM供給契約書のサンプルですが、一般に英文契約書は、表題、頭書、前文、本文、末尾文言、署名欄から構成されています。頭書の This Agreement が主語、WITNESSETH (witness の直説法三人称単数現在の古語)が動詞で、前文及び本文を目的語にし…

努力目標付きの契約書

法律用語で best effort reasonable effort commercially reasonable effort の違いは責任の重さから best effort > reasonable effort > commercially reasonable effortsという順で受けとられる。 説明Best efforts とは従業者を含む会社が可能な全ての…

東日本大震災と不可抗力免責

今回の震災で大きな被害がでたが、一つ一つの損害について、誰がその損害を負担するのだろうか?久しぶりにこのブログのタイトルどおり法務部的なリスク管理をしてみたい。 まず、 第40条 免責事項 1.次の損害については、当会社はその責任を負わない。 …

売買基本契約書の必須契約条項

日常的に売買基本契約書を審査している。 当然、その内容は取引先数の数だけ種類があり、すべてバラバラだ。でも、以下の4つだけは、最重要条項として、売買基本契約書に記載するようにしている。 無勧告解除期限の利益損失損害賠償(遅延損害金)裁判所の専…

契約書を作成する利点

契約書を作成する利点 一言で、契約書を作成する利点をいうと「契約事項の明確化により後日の紛争を防止できる」ということです。 契約内容について問題が生じた場合、契約書の条項が有力な証拠となります。例えば、売買契約において代金の額、支払い時期、…

合意管轄裁判所とは?

合意管轄裁判所の管轄とは、その契約について裁判を起こす場合に、どこの裁判所で裁判をおこなうのかを決定する特約です。 合意管轄裁判所はできるだけ近くに 民事訴訟法では裁判の案件に応じて、管轄する裁判所を定めています(民事訴訟法4条・同第5条・同…

渉外契約における準拠法

先日、渉外契約についてのセミナーに参加した。「自社が、売主の場合に、どのような売買契約書を作成すべきか?」がテーマだった。”Whereas Clause”、”Consideration”、"Fit for Particular Purpose"など、英文契約独特の表現などは、ある程度知っていたが、…

契約書作成の基礎知識

◆はじめに◆ 契約は、双方の合意があれば、それだけで有効に成立します。「売りましょう」「買いましょう」という合意さえあれば直ちに売買契約は成立します。したがって、契約というものは、双方が文書の取り交わしを していないから、また、契約書に調印し…

「期限の利益喪失条項」の重要性

取引基本契約書を締結する目的は? 一般的には次のような目的が挙げられています。 「大量反復的取引を継続的に行う場合に、個々の取引の都度、契約書を作成するという非効率を回避するため、事前に、当事者間で、個々の取引に共通に適用される基本となる事…

契約書の基礎知識 <契約の成立> 契約は、「申込み」と「承諾」というお互いの意思が一致(合意)することにより成立します。契約の書面化が法律で義務付けられているものもありますが、契約書は契約の内容を確認するために作成されるものですから、契約書…